午前中の仕事を終えて、もうひと仕事始めようとしている時だった。
「やっぱりお腹がすいた」
妻の一言に、私も、やっぱりお昼ご飯を食べないとな、と思った。
お寿司を食べたい、と言う2人の思いが一致し、とりあえず車に乗ることにした。
お気に入りの回転寿司レストランに行くか、
いつものスーパーでお寿司を買い、近くの公園で食べるか、
決めるのは私に任された。
車を運転しながら、自分に問いかけてみる。
「2人にとって、最高なのはどっち?」
私の心の中で、瞬時に答えが決まった。
スーパーでお寿司を買い、公園で食べる。
心のままに、スーパーに寄って、いざ公園へ。
公園に入った瞬間に目に飛び込んできた景色は、息を飲むくらいに美しい光景だった。
「すごーい、来て良かった!」
本当に来て良かった、二人でこのフレーズを何回言ったことだろう。
紅葉の色と、12月に入ったというのにそれほど寒くない日和、素敵な青空。
この三つが合いまって、なんとも言えない心地よさが広がっていた。
買ってきたお寿司をベンチに座って食べながら、秋の紅葉を堪能する。
なんとも格別で贅沢な時間。
来る日が1日ずれただけでも、天気は変わるし、時間によって光の入り具合も違う。
まさに、最高のタイミング。
あの時、自分のハートに尋ね、響いてきた答えのままに行動してよかった~と心から思えた。
ランチを食べ終わる頃には、体も少し冷えてきた。
もう帰ろうかと、来た時とは反対方向に向かって歩き出す。
高く空に向かって伸びる木々たち。それはまさに紅葉のトンネルのよう。
一歩一歩、歩んでいくうちに目に入ってくる景色は変わる。
あるポイントに来た瞬間に、はっと息を飲むような、まるで異次元のような景色が目に飛び込んできた。
思わず、
「うわー……」と感嘆する。
池の周りを歩き、もう一度池と向き合い、感謝の言葉を伝えた。
「美しい景色を見せてくれてありがとう」
自然の芸術。
まさにこんな言葉がふさわしい、愛くるしい秋の景色であった。